第14期自治政策特別講座
「自治体財政を読む―地域再生への予算審議のポイント」
開催日:2012年2月9・10日
会 場:品川フロントビル ホール<アクセス>
参加者数:170名
参加自治体数:166自治体
プログラム
2月9日(木)[ 10:00~17:00 ]
第1講義 10:00-12:00
自治体財政入門・財政運営の仕組み
町田 敏彦 専修大学経済学部教授
自治体財政とはなにか。財政運営はいかに行われているのか。そして歳入歳出に現れる各自治体の特徴をどのように読み解り、地域住民の将来のためにわかりやすい予算審議を行うかが問われている。
予算書・決算書の数字からそれぞれの自治体の姿を浮かび上がらせ、政策や計画をよりよいものにしていく議会審議に必修の講義。
第2講義 13:00-15:00
自治体財政と原発 ―電源立地促進財政制度は何をしたのか
清水 修二 福島大学理事・副学長
原発事故による被災は続いている。原発立地にかけた国費を上回る補償が求められるのは早晩明らかとなる。今後、各自治体も食品や土壌などの放射能対策に予算が費やされる。政府は国策のために補助金などで自治体の政策を誘導してきた。
原発を抱える自治体は、原発の誘致に地域の将来をかけてきた。電源三法により、自治体財政が歪められてきた経緯を見ながら、自治体のこれからのあり方を問う。
第3講義 15:10-17:10
市民参加予算 ―世界の動きと日本の課題
兼村 高文 明治大学大学院政治経済学部教授
韓国では「住民参与予算制」(市民参加予算)の導入が2011年9月から自治体に義務づけられた。欧米では市民やNGOが地域の予算配分に参加する動きが広がっている。
わが国でも市民活動に市民税の1%を配分する仕組みや、予算案の成立過程を透明化して、市民の意見を募るところも増えてきた。市民参加の予算とはなにか、日本の自治体の課題を検討する。
2月10日(金)[ 10:00~15:00]
第4講義 10:00-12:00
自治体財政と税制の課題
三木 義一 青山学院大学法学部教授
「平成24年度税制改正大綱」が明らかになった。自治体の基本的な歳入は税であるが、この意味や内容を詳しく知ることから税制論議が始まる。税制改正において、固定資産税の課税標準の特例措置2件について、地方自治体が課税標準軽減の程度を条例で決定できるようになる。一方で自治体では、固定資産税の課税や徴収、評価ミスが報道されている。構造的な問題点はどこにあるのか。
住民が地方税に関する条例の制定改廃について直接請求することができない中、議会の課題を問う。
第5講義 13:00-15:00
地方交付税のヒミツ
小西 砂千夫 関西学院大学人間福祉学部教授
地方財政における財源保障のあり方の議論では、地方交付税制度を避けて通れない。一括交付金制度、税源移譲、財政の分権化など、現在課題となっている交付税制度には、国と地方、自治体間の地域格差など問題は多い。 地方財政を長年研究してきた講師が、地方交付税の仕組みと改革の方向性を解説する。
たくさんのご参加ありがとうございました
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